この日の収録のために借りていた場所は池袋のラブホテルだった。
取材する側であるボクらの準備がまだ終わらぬところに、駆け足で女性が飛び込んできた。
「今日はありがとうございます。お世話になります」
彼女は、ゲストの女の子を送り込んでくれる池袋の添い寝「N」の女性オーナーだ。
「N」という添い寝店は、 オーナー自身がかって現役添い寝嬢として活躍した際のノウハウを生かし、自ら立ち上げた添い寝である。
この店が添い寝店である理由はオーナー自身が巨乳であるためだが、スレンダーかつ巨乳の美女という女性だらけ。
こうした理由もあり、「N」はおのずとお話専門店から添い寝専門店へと変遷していった。
「もうすぐ女の子が来るので、 まず打ち合わせをさせてください」
ボクの番組は、いつも行き当たりばったりでインタビューを行っていくスタイルなのだが、この日は違った。
店のほうから、ぜひ取り上げてほしいネタがあるというリクエストがあったのだ。
オーナーとの軽い打ち合わせがそろそろ終わろうとしていたころ、ゲストの女の子が到着。
彼女は添い寝専門店の名に恥じぬ、癒しの雰囲気をしていた。
オーナーはそんな彼女と二言三言話をした後、仕事があるからと帰っていった。
「よろしくお願いします。身長が162センチで、スリーサイズは上から112、80、90で、歳は28です」
添い寝歴はどれくらいですか?
「通算2~3年かな。今のお店で4店舗目ですね。最初のお店から今のお店まで、お話しやリフレです。最初のお店はインターネットのチャットで見つけました。お店を変わるときもネットオンリーで探していました」
一番最初のお客さんは覚えてます?
「最初のお客さんは、 お店が常連さんをつけてくださったんです。 添い寝嬢たるものの基本をそのお客さんから教えていただきましたね。添い寝とリフレは究極のサービス業だってことを、 そのお客さんから学びました」
今まででよかったお客さん、嫌だったお客さんというのはいますか?
「皆さんいいお客さんばかりですよ。 嫌だったお客さんっていうのは、今までいなかったですね」
フェチ系の風俗店というのは、基本的に、ある特徴を持った女性が非常に好きだという男性が集う店である。
まさよが動める店もその例外ではなく、癒しを好む客しか利用しない。
つまり、客にしてみれば少なくとも体系的にはピッタり好みの女の子が来てくれるというわけだ。
このような理由から、フェチ系の添い寝とリフレ店においては、女の子の到着後にチェンジをするような客や、サービスに不満を持って本番を強要をするような客が他店に比べて極端に少ないと言われている。
彼女が嫌な客に遭遇したことがないというのも、フェチ店ならではのエピソードかもしれない。
彼女の得意プレイは、どんなプレイでしょうか?
「イメージプレイですね。 〇〇ごっこって感じです。お医者さんごっことか、学校ごっことか」
必殺技は?
「やっぱりこの体型ですからおっぱい枕ですね。あとは密着リフレとか。立った状態でバックでおっぱいを密着させるんですよ。これには大抵のお客さんがのけぞります」
お店のメニューを見ると、腕枕コースというのがあるんだね。
「こういうお店なので、癒しごっこをしたいとか、密着をしてみたいとかっていうお客さんもおられるんですよね。
だからこういうコースが用意してあるんですけど、残念ながら今は対応できる女の子がいないのでできません。
ローションを塗り合って楽しむんだそうです
なるほど。
確かに、大きな女の子とローションでヌルヌルってプレイを喜ぶお客さんは多いだろうね。
そうですね。
だからマットプレイをしたいってお客さんも結構いらっしゃいますよ。
ローションを使って。実際喜ばれますね
大きな体とは裏腹にここまでインタビューを行ってきたが、ボクが見たところ、貴女は緊張を隠せない様子だった。
声も少し小さくおどおどしている。 どっしりした体格とは異なり、性格は控えめな女の子なのだろう。
芸能人で誰かに似てるって言われます?
最近はあまり言われないですけど、 飯島直子とか言われますね
確かに斜めから見たラインが似てるかもしれない。
こんなにかさばらないと思いますよ。
でも、飯島直子を横に凄く拡大したら似てるんですかね(笑)
緊張を自らほぐすためか、まさよが自虐的な話を始めたので、ボクも彼女の体型にまっわるような話を振ってみた。
好きな食べものは何?
イチゴですね。何もかけずにそのままで。1パックくらいならぺロリと平らげますよ。
あと、バランスを取るために納豆ご飯を食べて、タンパク質も摂取しないとダメですからね。
タンパク質で『肉』に行かない理由?
お財布の事情からですね。
食べるのは、和・洋・中おいしければなんでもオッケーです。
外食するなら、デパートの中に入つてる小籠包さん。
台湾から出店してるんですけど、すっごいおいしいんですよね
彼女は食べものの話になるとエンジンがかかり、生き生きとし始めた。
先程までの緊張感が薄れていく彼女を見て、好物について聞いてみてよかったと、ボクもホッとする。
貴女のチャームポイントはどこでしょう?
「モチ肌ですね。小籠包でしっかりとコラーゲンを摂つてますから(笑)。ピッチピチの肌を楽しんでもらいたいです」
生まれ変わったら何になりたい?
女ですね。
もう一度女に生まれ変わって、もっと早くからこの仕事をしてると思う。
この仕事をしてると、たぶん、綺麗でいられるんですよ。
接客でいつも見られているわけですから、綺麗でいるのも仕事なんですよね。
でも、食いっぱぐれないようにひっそりと資格取りには励むかも
今、 何かの資格を取る勉強をしているの?
「今年は受験票を出し忘れて受けられなかったんですけど、 ケアマネージャーの資格を取ろうと思つてるんですよね」
看護師や介護士と風俗嬢は不思議と接点が多い。
看護師の資格を持ちながら風俗の仕事に飛び込む女の子は多く、また、介護士の資格を取るために勉強をしている風俗嬢も少なくない。
あるいは、介護士だけでは食べられないため、風俗でアルバイトをしている女の子も存在する。
実際、ボクがこれまでに取材などで接点を持った風俗嬢のうち、1割程度の女の子が何らかの形で看護・介護職と接点を持っていた。
風俗も、医療・介護もサービス業なんで、共通点は多いと思いますよ。
添い寝の池袋はいつまでもやれる仕事じゃないですから、その後のことを考えたら資格は取っておきたいんですよね